にょっぴのブログ

24歳OL、雑記ブログ

otogi nightmare 3

 

"うるさいうるさいうるさいぃぃぃぃいいいい!!

 

偽善者め。"

 

ゴムリが目を覚ました。

 

 

 

"お母さんのことはどうでもいいのか。

 

お前がしてることだって、

似たような者じゃないのか?"

 

"助ける反面、生き血を吸っているんじゃないのか?"

 

"自由に羽ばたくこともできる鳥を、輸血の原料のように。"

 

「そんなことないやぃ!!」

琴線に触れられ、耐えかねて、

やっと声を出す。

 

すると、初めて声が吸われず響き渡った。

 

もう黙って聞いてなどいられるものか。

 

・そう、これがゴムリの 常套手段なのだ。

 

 

 

 

 

大体、ゴムリなんかに何がわかるというのだろう。

 

お前が おかぁを飲み込んでいる間、

ゴムリを倒せば、おかぁも死んでしまう。

でも、ゴムリと居ると、

こっちのHPがどんどん削れて瀕死になる。

 

助けようとする相手に、

傷つけられもする。でもそれはおかぁではない、

すべてゴムリのしていることだ。

 

 

トラウマで、今だって魘され、おかぁなのか、

ゴムリなのか、分からなくなる時があるんだ。

 

顔が、顔が、どっちがどっちなのか、

見えないまま、ドライブに行ったりするんだ。

 

なぜお前にこんなこと言われなきゃならないんだ、、、

 

 

"まぁ、なんとでも言えばいいさ。

 

感謝しない時間をできるだけ長〜く、

何かに怒ったり怯えたり、苦しんだりしている間は、

 

君は僕の寝床から出口を

見つけることが出来ないだろうね。"

 

 

 

………  どうゆうことだ?

 

そういえば、何時からここに居るんだろう。

私は、何故ここにいるんだっけ。

 

ここから、、、出れる??

 

 

 

 

 

そうだ、 お父さんにこの紙切れを

渡したくて、折って飛ばしていたんだ。

 

 

 

さっきは目がくらんで見えなかった

視界が少しだけ澄んできたおかげで、

構造が見えてきた。

 

 

ゴムリの寝息のせいでどうしたって

こっちにくるくると 飛ばされ戻ってきてしまう。

どうも、そうゆうことらしい。

 

「でも私は、謝る気なんてないぞ!!ごっごほごほっ」

 

海藻が喉に詰まり、息ができずまた

吐いてしまう。

 

 

"謝る?  そんな無駄なこと、

しなくたって構わないさ"

 

 

"お前は、今の自分を 自分だと思っていればいい。

 大体、ゴムリの間では、有名な話だ。

 

 お前は、父親にそっくりで、 怒りっぽくて

 頑固で、感謝ができない、自分の事が結局1番可愛いのさ。

 

そんな自分が嫌で、隠してる。

 今のお前のことなんて、誰もそうだと見えない。でもリアルさも無いんだ。

 お前は、自分を偽って、本当の友だちなんて、誰もいないんだ。"

 

"だからいつも寂しく、スーパーでタイムセールを楽しんだり、料理を作ったりしてるんだろう。それで世界が充実してるとでも言いたいのか?"

"自分の世界から出れない。誰かに来て欲しくて、インスタやら、ブログやらやってても、

 

結局それは造形なのだから、

最終的なところまで、お前と一緒に居るやつなんて誰も居ないのさ!"

 

"だからゴムリに簡単に騙される。

お前は、人の愛を知らないし、

本当の自分を知らないからな。(どんな愛に満ちていて、素晴らしい存在なのか、美しさや、純粋さをお前たちは、見ることが出来ないだろう!)"

 

 

"人間てのは愚かな者だ。 あの白い鳩なしには、

お前たちは居ないってのに、ゴムリから守られる術も知らず、日々俺らに食われていく。"

 

"もし俺が人間なら、真っ先に、あの白い鳩に

守ってもらいながら、ゴムリに騙されないよう

白い鳩に色々教えてもらうだろうね。 全く持って、馬鹿な奴らだ。"

 

otogi nightmare 2

 

お父さん、、、

 

 

お父さん、、、、、、

 

 

声を出してるつもりだが、なかなか響かない。

 

闇が音も吸い込んでいるようだ。

 

 

 

ゾムリが静かに、寝息を立てている。

 

ゾムリは、マンモスくらいの大きさがあり、

ほとんどの場合は寝てるが、目を覚ますと獰猛で

自分の身がどうなってしまうのか分からない。

 

 

だから、

静かに、静かに歩く。

 

もっとも、ゾムリの住むこの地帯は、

大体の場合が 暗く、音を吸い込む為、

それほど神経質にならなくてもよいのだけど…。

 

*******

 

 

小さくちぎった紙に書いてある。

 

何十年何百年分の気持ちを 一言二言に

押し潰して。

 

だから、4つ折りにして、前に投げているのだが、

どうゆうわけか、跳ね返ってくるのだ。

 

…風が吹いているのか?

 

誰かが、跳ね飛ばして来てるのだろうか。

 

 

 

お父さん、、、、

 

お父さん、、、、?、、、

 

 

そこにいるの?

 

 

ゾムリに呼び込まれて、すっかりひとつに

なってしまったの?

 

お父さん、、、

 

あぁ、空を自由に行き交うことのできる鳩よ、

お父さんがいるって教えておくれ。

 

まだゾムリの中ではない、

彼は囲まれているけど、その真ん中で眠っているだけだ、と。

 

 

 

 

otogi nightmare

とても気味が悪い…

 

なぜか、気づくと海綿の上を歩いているようだった。

 

たしかに足を上げては、地に付けようとするのに、

踏んでいる心地がしない。

 

 

しかも、数歩進むたびに

口の中いっぱいに海藻を詰まらせて、

膝から崩れ、吐き出してしまう。

 

 

気味の悪い夢だ。

 

 

*****

 

雷が落ちてくるだろうか?

 

 

神様は私に怒ってるのだろうか?

 

きっと感謝をしない私に怒っているのだ。

 

 

"私は充分耐えた。 あなたが望むものを与えてきた。

あなたが望むように、憐れみを必要以上にかけたはずだ。これ以上なにを望むというのか。"

 

 

 

味のしない海藻を吐き続けながらでも、

歩かなくては行けない。

 

 

ストリングスの激しい音が

後を追いかけてくるように大きくなっていく。

 

 

足元の海綿が水彩に染まっていき、

ちぎり絵を映し出す。

 

 

歯ぎしりしながら眠る母の顔。

 

 

海藻で息ができない。

うなじを強ばらせて、海藻を吐き続ける。