otogi nightmare 2
お父さん、、、
お父さん、、、、、、
声を出してるつもりだが、なかなか響かない。
闇が音も吸い込んでいるようだ。
ゾムリが静かに、寝息を立てている。
ゾムリは、マンモスくらいの大きさがあり、
ほとんどの場合は寝てるが、目を覚ますと獰猛で
自分の身がどうなってしまうのか分からない。
だから、
静かに、静かに歩く。
もっとも、ゾムリの住むこの地帯は、
大体の場合が 暗く、音を吸い込む為、
それほど神経質にならなくてもよいのだけど…。
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小さくちぎった紙に書いてある。
何十年何百年分の気持ちを 一言二言に
押し潰して。
だから、4つ折りにして、前に投げているのだが、
どうゆうわけか、跳ね返ってくるのだ。
…風が吹いているのか?
誰かが、跳ね飛ばして来てるのだろうか。
お父さん、、、、
お父さん、、、、?、、、
そこにいるの?
ゾムリに呼び込まれて、すっかりひとつに
なってしまったの?
お父さん、、、
あぁ、空を自由に行き交うことのできる鳩よ、
お父さんがいるって教えておくれ。
まだゾムリの中ではない、
彼は囲まれているけど、その真ん中で眠っているだけだ、と。