にょっぴのブログ

24歳OL、雑記ブログ

otogi nightmare4

 

自分自身を知らない…

 

 

よくよく自分の身なりを見てみると、

ゴムリの寝床に長い間いたせいで、

 

糞やら尿やらにまみれ、とても汚れている。

(そうはいってもゴムリのフンや尿は、一般的な動物のそれとは、少し違い、カステラの皮の部分のように単にベタベタしたものだが…)

 

 

こんな姿じゃ、鳩が通ったところで、

自分のことなんて、

目にも留めず去っていってしまうだろう…。

 

 

そんな時、とんびのように、 

《ひゅるるるるる〜っ》 と鳥が鳴く声がした。

 

 

見上げると、そこには、円を描き

ずっと舞い渡る 白い鳩。

気づかなかっただけで、本当はずっと上に円を描いていたのかもしれない。

 

その目には涙を溜めて、 

瞬きした瞬間、私の手の甲に、

その雫がひたと、煌めいた。

 

 

«お前は、もう諦めているのかもしれない。»

«でも、私はただ自分の手元にお前を抱き寄せて、助けられればそれでいい。»

«お前は、自分なんて このゴムリのところに居るのがお似合いだ。と、勘違いしてるかもしれない。»

«それこそがお前が真実だと思い込んでる嘘なのだよ。»

«お前は、こちら側の人間なのだ。»

«知りたいか?»

 

鳩は私の心に直接語りかける。

 

 

ゴムリは何が起こっているか知らず、

こちらを嘲笑うように眠ろうとしていた。

 

私は気づくと、鳩から落ちてきた煌めきの涙の上に、自分の涙を重ねていた。